石棺(Kalamba)は舟型(平面不整方形、断面舟形)のものと円筒型(平面円形、断面凹形)のものがある。棺の内側は刳り貫かれ、一段舌状の台を設けているものがある。ナプ北東のタマドゥエ村の石棺ウィヌア、東部の石棺ワトゥノンコは舟型である。外面は自然石に近い。他の地域では円筒型をしている。石棺ウィヌアの外面には人・顔・鳥・トカゲが彫られている。石棺ワトゥノンコは平面不整方形の石蓋と組み、石棺外面には1つの大きな顔が彫られている。 石棺ウイヌアと石棺NA3には短辺に段があり、石枕と考えられるが、ワトゥノンコの段は縁に近い隅にあり、小さいものでる。当初は遺体を寝かせ葬っていたが、時期が経つにつれ、埋葬方法の違いで石枕の機能が失われたと考えられ、また舟型から円筒型に変遷したのも埋葬方法の違いと考えられる。埋葬方法の違いとは再葬(二次埋葬)へ変遷したことによるのであると考える。
ベソアの石人像タドゥラコ西20mに石棺BE3がある。外面には突線が巡り、ゴルフ玉のような凹凸が見られる。内側には段が設けられている。最大のものはベソアのポケケアにある石棺BE38である。形は円筒型で、大きさは地上高約1.9m・外径約2.1m・内径約1.7m・深さ約0.8m以上である。外面上半には8面の顔が彫られ、顔の輪郭は方形で、こめかみ・つり上った楕円形の眼・鼻・その下に凹線が廻り、外面下半は整形のみである。
円筒型の棺には内側に舌状の段のあるものと、段のないものがある。 この段は供物を置くための台と考えるが、石蓋を開けやすいよう支点となる台、又は大き目の石を挟むことで隙間を設け再葬時に開けやすくする為に設けられたと考えることもできる。しかしながら、円筒棺には段のないものもあり、当初の機能を失い変遷したと考えられる。 ページの最上部へ